お酒の選び方

お酒なら何でも飲む。

とは言っても、日本酒と焼酎はチャンスが少ない。

「まずビール」

と言う多くの大人たちと同じ様に

ビールのあと食事といっしょにワインをいただくことが多いか。

 

目下、書斎の整理に連日追われているのだが、

これまでの調査や研究、テキストなどにも目を通している。

お酒についてもいろいろ調べたものがでてきた。

嗜好品は人間の文化としてきわめて興味深い。

 

ワインは食事といっしょに飲む。

日本酒は肴とともに飲むが、食事ーいわゆる炭水化物といっしょにいただくことは少ない。

ウヰスキーも、食事しながら楽しむものではない。

ウヰスキー用の肴やチーズ、チョコレートは似合うが、

食事のお伴ではない。

去年訪ねたチェコは、水よりビールのほうが安いせいか、

みんなビールをガブガブジョッキーで飲み続け、なにも食べずに

ワイワイ会話を楽しんでいた。とても新鮮な風景で、

私たちも連日動けないほどビールを飲み続けた。

 

食後、場を変えて、ゆったりデザートワイン、ブランデーという文化もあろう。

 

お酒とひとくちに言っても

食前にひとくちいただくものもあるし、

実にさまざまである。

その濃度や香りによってグラスが異なるのは当然である。

 

最近の若いひとたちのお酒の飲み方は昔とかなり違う。

いきなり甘いお酒を注文し、いろいろな種類に挑戦する。

肴や料理の味を壊さないかと心配になるが、これも時代か。

 

亡父も恩師もウヰスキー党だった。

父は食事の前、必ず濃いめの水割りを2杯、母になにか作らせては美味しそうに楽しんでいた。

学生時代、父に連れられてススキノを飲み歩いたことや、

私の下宿でどちらが強いか競ったことなど、懐かしい思いでである。ちなみに、下宿でのバトルは私が先に1本飲みほして勝利をおさめた。まだ若いときの話しである。

動物行動学を日本に紹介し、定着させた恩師日高敏隆先生はどんなときもウヰスキーだった。散々飲まれてから論文に目をとおされるような、豪快なウヰスキー派だった。

 

そして実は私もかなりウヰスキーが好きである。

配偶者もアイルランドにいたこともあってウヰスキーにはうるさい。

もう相当な大人になってしまった私たちは、

そろそろ甘っちょろい?ワインではなく、

まずは水割りを楽しんでから食事をするか、

ちゃんと食事をしてからチビチビとウヰスキーにするか、

大人らしい飲み方をしたいものである。

少し冷える今夜など、BOWMORE が恋しい。